
dame773さんにおすすめしていただきました。
期待以上にとても良かったです!!ありがとうございました♪
お目当ては「クリスマスの思い出」でしたが、どの短編もとても良かった。心にしみました。
無知で本当に恥ずかしいのですが、村上さんって翻訳もされるんですね。
う~~ん、なかなかいい仕事をされてます(→えらそう~~)。
六編の短編がおさめられています。
訳者いわく、これらは『それぞれに少年や少女の無垢さ=イノセンスをテーマにして書かれた物語である』とのこと。
とくに「おじいさんの思い出」「あるクリスマス」「クリスマスの思い出」はカポーティ自身の少年時代をモチーフにした自伝的な作品で、『イノセント三部作』といわれているようです。
この三部作がとにかく素晴らしい。
主人公のバディーは両親の愛に恵まれず、少年時代を親戚の家で過ごしている。そこで一番心を通わせたのは、祖母といってもよいほど歳の離れたいとこのスック。このふたりの関係がとても微笑ましい。ちょうど「西の魔女が死んだ」のふたりのような雰囲気で。
ふたりで過ごすクリスマスは、いつもフルーツケーキを一緒に焼き、自分たちの気にいった友人たち(そのなかには、たった一度しか会ったことのない人もいる)に贈る。ふたりで森にいってツリーにぴったりのモミノキを探しにいく・・・。そして・・・。
クリスマスって、単にプレゼントを交換するだけのものではなく、自分の大切な人たちが幸せに暮らしていけますように、と祈るためのものなんだと、そのために自分に何ができるのか、神はどう思ってくれているのかということを真摯に思いつめるためのものなんだと、楽しみではあるけれど、本当はもっと厳粛なものなんだと・・・この本を読んでそう感じました。
『バディー、私のいうことを聞いておくれ・世の中にはたったひとつだけ、どうしても赦せない罪がある。それは企まれた残酷さだよ。ほかのことはなんだって赦せるかもしれない。でもそれだけは別だ。私の言っていることはわかってくれるかい、バディー?』
「あるクリスマス」は父親への少し屈折した気持ちを描いています。
少年はいつでもどこでもイノセントというわけにもいかない・・・という一面を見せてくれますが、ここでもスックの優しさがバディの心を和らげてくれました。ラストはジーンとしました。
この季節に是非読みたい1冊。
村上さんのきれいな訳がとても魅力的です。オススメです。
『蝋燭は魔法の杖なんだよ。蝋燭に火をともせば、世界はおとぎ話の国に変わってしまう』