今度の主人公は泰麒。
泰麒は泰国の麒麟。
麒麟はその国の王を選ぶ。そしてその王に仕える。
王が道をはずすと麒麟は病み、命を落とす。そして王も麒麟が死ぬと死ぬ。
蓬莱国で人間として育った幼い麒麟・泰麒は王を選ぶという、自分に課せられた大任を果たす術を持たず、不安と葛藤の日々を過ごしていた・・・。
まぁ、なんといたいけな泰麒がかわいらしく、いじらしく・・。
心がほんとうにまっすぐで、重圧に押しつぶされそうになりながら、どうにか踏ん張る姿が好感が持てました。
まさに、泰麒も陽子と同じく運命にひたむきに立ち向かっているわけです。どうもこのシリーズのキーワードはこれなのかもしれない。
妖魔を折伏する場面と王のもとへかけつける場面は息を呑みました。
それにしても、麒麟に課せられた運命は過酷すぎます。
王を選んでから深く悩み苦しむ泰麒はどうにも可哀相で、とても切なくなりました。
一応はこの巻は円満な結末でしたが、まだまだ今後彼には過酷な運命が待っているようで・・・・先を読むのが楽しみのような、怖いような・・・。
ところで、私の今回のお気にいりは景麒です。
前半、女仙たちに咎められながら、泰麒の相手をする様子が何とも微笑ましい。不器用な優しさが彼の魅力ですね。この頃景麒の主は陽子ではなく、陽子の前王であった予王。彼と予王との哀しい試練は前作に少し語られていましたっけ・・・・ううう切ないです~。
それにしても面白い!!どんどん読み進めていきたい。かたときも十二国記の世界を離れたくない気分です。
ちなみに次男はあっという間に全部読破してしまったようです。
次男のベッドはいつも本がいっぱいで、人のためのベッドなのか、本のためのベッドなのかわからない状況であります。