積読していたこの本をようやく読めました。
鳩が手紙を運んでいるとてもきれいなイメージの表紙とは裏腹の、とても重いテーマでした。
犯罪を犯した加害者の家族にたった側の小説は、何冊か読んだことがあります。
今年読んだ「13階段」もそうでしたが、この本も本当に、本当にいろんなことを考えさせらました。
犯罪を犯すことの罪の大きさ。
こんな理不尽な差別、あってはならないと思いつつも、これが実際だと認めざるをえない自分がいて。
正々堂々、ってどういうことなのか。
淋しい、ってどういうことなのか。
家族って何だろう。縁を断ち切ることなんて本当にできるのか。
手紙は本当に相手の心情を無視する武器となりうるのか。
もう、いろんなことが心のなかでぐるぐるまわり、胸が苦しくさえなってしまいました。
答えなんか出ない、だからいつまでも自分に問いかけ続けながら生きていくしかないのでしょう。
余韻を残す印象的なラストも秀逸。
東野さんは本当にすごい。小説って素晴らしい、素直にそう思えます。
でも・・東野さんの本に出てくる男性って、ちょっと卑屈で「いじいじ系」が多くないですか?
女性は魅力的なんですけどね。
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